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起業家インタビュー

インタビュー バックナンバー|第1回
第2回 JEA起業家インタビュー

今回のインタビューアーは、西日本最大級の社長紹介サイト“福岡の社長.com”でもご紹介されている吉谷愛様(フロイデ株式会社 代表取締役)にインタビューさせていただきました。

“共に成長し続ける存在でありたい”というお考えの下、システム開発・教育、講習・ホームページ制作を行っておられるフロイデ株式会社ですが、本当に社員の方から信頼・尊敬される、経営者として素晴しい資質、考え方を持った方だなと感じました。

フロイデ株式会社 HP:http://froide-kk.co.jp/

まず起業に至った経緯、きっかけについてお聞かせ下さい。
起業しようと思ってしたのではなく、起業するしかなかったというのが事実です。私は結婚したら家庭に入るのが夢でしたので、結婚と同時に寿退職しました。しかしその3週間後に主人が事故に遭い、無職となり、収入がなくなってしまいました。ただ、主人はプログラマーなので外に出ることはできなくても、家では仕事をすることはできた為、私は、プログラマー時代の知人に自宅でできる仕事を紹介してもらい、主人にそれを提供する個人事業主として活動するようになりました。その過程で、“会社と取引するにあたり法人の方が有利”という指摘を受け、休眠状態にあった父の会社「フロイデ株式会社」の看板を貸してもらったのが始まりです。気がついたらのっとっていました(笑)。

そうだったんですね、経営者になろうとは思ってなく、なられたと思うのですが、今経営者になって良かったと思いますか?
そうですね、今思ってみると、経営者になって得たものは非常に大きいと感じています。何より、経営者になってはじめて見えるようになったものも多かったと思います。

ありがとうございます。
起業直前、また起業当初一番大変だったことは何でしょうか?

まったくお客様もお金もスタッフもいない状態から始めたことです。今考えてもよくやろうと思ったなと自分に感心します。離婚したくなかったんでしょうね。今年で結婚9年目なのですが、今、あんなに頑張れるか自信がありません(笑)。とにかく、仕事をもらうということは、非常に大変なことだと本当に痛感させられました。

ありがとうございます。
次に失敗談、成功談についてお聞かせいただけますでしょうか?

う~ん、失敗談ですか・・・難しいですね。今でも1日3回は失敗しているので(笑)
ただ立ち上げて最初の頃は失敗を恐れていた、恐れすぎていたと思うんですね。

また、自分が臆病なあまり、部下のやることにも、最初からあれこれ口をだしすぎていたと思います。

大切なのは、失敗しないように口やかましく干渉することではなく、社員にチャンスを与えて、それでもし社員が失敗したら、上司として、経営者として、徹底的にそのフォローをすることなのだと、今になって思います。あの頃、口出ししてばかりで社員にチャンスをあげられなかったことはほんとうに今思い返しても悔やまれますし、社員に対して申し訳なかった、あの時の私のやり方は失敗だったなと思います。

失敗からしか学べないことって、たくさんあると思うんです。そこにずっと気づけなかった時は、私もあれこれ口出しして社員に嫌われないといけないのできつかったですね(笑)。もっと早く任せることの大切さに気づいていれば、その頃辞めていった社員も継続してくれたかもしれないと考えたりもします。

失敗させた後のフォローアップ、そこを社長が考えていただけるというのは本当に社員として嬉しいことですね。成功談はどうですか?

成功談といいますか、今となっては大きな転換期だったなと思うのは、リーマンショック後の年度替りでした。

3月末で、それまで継続して頂いていたいた仕事が、半分以上打ち切られてしまったんです。その時私は、仕事のない会社は社会から必要とされていない会社だという思いがどこかにありました。ですので、これだけ仕事がないということは社会から必要とされていない会社なのだから、潰したほうがいいのかなと正直悩みました。

しかし、その時社員から「今会社が無くなったら困る」「続けてほしい」という声があがりました。それは自信をなくしていた私にとって今までの自分を肯定してくれたとてもありがたい言葉で、おかげで、失いかけていた勇気をもらうことができました。また、あたりまえのことなのですが、

「会社は私とお客様だけのものではない、従業員のものでもあるんだ」
ということを、再認識することができました.

そこで「とにかく何とか会社を存続させよう」と心を入れ替えた時、3月末、政府の緊急雇用対策助成金の話を聞き、詳しく調べてみました。すると、休業申請した社員に対して給料6割のうちの5分の4が支給されるだけでなく、教育をうけさせると1日6千円の加算金が付与されることを知りました。つまり、1人につき1ヶ月で12万円近い教育給付金が支給されるわけです。それで、

「もし、”月に7万以下の金額で貴社社員の教育を行います、教育給付金の申請もお手伝いします”と告知すれば、仕事のない社員を受講させたいという会社は多いのではないか?」と、思いついたのです。

これを思いついたのは3月末なのですが、きっとこれはいずれ同じことを考える会社が出てくるだろうと思い、小さい会社のメリットである機動力を最大限に生かすためにも、5月に講座を開設することを決めました。4月上旬でカリキュラムを考え、場所を調達し、4月中旬に営業をかけるという、今思うとかなり無茶で無謀な進め方でしたが、結果、5月開始時点で50人の受講生を集めることができました。

また、この業務に関しては、立ち上がりこそ私が行ったものの、それ以降の運営と営業に関しては、極力社員に任せるように勤めました。

今回は「私が頑張らないと会社があぶない」という責任感があったためか、皆本当にがんばってくれました。今でも彼らには感謝しています。

助成金受給額
 休業した場合は一日当たり休業手当の80%最高限度額は7,730円、教育訓練は7,730円と別に一日当たり6,000円が加算支給される

フロイデ株式会社は採用では未経験の方を教育し、一人前にしていくということを書かれていますが、未経験という事でかなり大変ではないですか?
そうですね、原則として「既卒の未経験者」を雇用する前提ですので、入社希望者は自然とフリーターやアルバイトの方が多くなりました。ですので、最初の指導はまず社会人教育からとなります。その過程で私自身が未熟なため、言い過ぎてしまったり厳しくなりすぎてしまったりすることもありますが、とにかく、社員に対しては愛情を持つこと、その上で接することを意識するようにしました。そして社員には、技術云々より、社会人としてどうあるべきかということをまず考えてほしいと伝えるようにしました。

素晴しいお考えだと思います。家族のような会社だと書かれていたのが納得できました。それではフロイデ株式会社の今後のビジョン、目標についてお聞かせ下さい。
この質問はよくいただくのですが、成り行きでできあがった会社なので、最初は返答に困っていました(笑)。ビジョンを模索する過程で、良い製品をつくり流通させることのできるメーカーを目標としようとしたこともあります。

ですが、今は、基本に戻り、会社の目標は、“最新の技術力をもった、高レベルの技術者集団”と、なることだと考えています。

私自身は勿論、社員にも、継続的に高い技術力を習得する努力をしてもらい、その技術をお客様に提供する過程で、技術者としても社員としても成長していってほしいと心から願います。また、そのような社会人としての高い意識と技術力を持つ弊社社員からの適切な価格でのサービスは、お客様のビジネスにも大きく寄与することが出来ると確信しています。

では、経営者である吉谷社長の夢、また吉谷様個人の夢についてお聞かせ下さい。

会社の夢としては、私がいなくても会社が成り立つようにすることです。それが、フロイデが私の個人商店ではなく、本当の意味での「会社」になる時だと思っています。個人の夢としては、子供が欲しいですね。いろんな価値観がありますが、そこは全うしたいと思っています。

ちなみに吉谷社長のお子さんが、起業したいと言ったらどうしますか?
そんな事言ったら「なんバカなこといいよっと!?」って叱りますね(笑)
自分の子供には起業をさせたくないです。

特に女の子には、普通に生活して、固いお勤め先の人と愛のある結婚をして、幸せな家庭を創っていって欲しいです。古い人間ですみません。

ありがとうございます。最後に起業を目指す人へメッセージをお願いいたします。
起業して得られたものはたくさんたくさんありました。けれど、企業することで失ったものも、同じくらいたくさんありました。

起業は手段であり、目的ではありません。起業される方は、起業することで、自分は何を得て、何を失うのかということをもう一度自分に問うてみてください。そして、そのうえで、しっかり覚悟して、起業を決めてもらいたいと思います。

覚悟を決めれば若い方は何でもできると思います。
20代前半なんて、世界征服だってできますよ(笑)

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